スカイスペース・アマルタ
ジェームズ・タレル

光と空間を題材にしたアート作品で、世界的に有名な現代美術家のタレル氏が手掛けたパビリオン。天井が空に向かって開口され、空間と光を知覚する人間の知覚体験から着目を得たタレルの独創性が感じられる作品です。この空間に身を置くと、天空に広がる光、色、開放感など、普段は気づかない知覚が呼び覚まされ、不思議な感覚を体感いただけます。

アーティス
トについて

「もし海に「スカイスペース」があるとすれば、モルディブはインド洋にある完璧なスカイスペースであるため、「スカイスペース」をモルディブに作ることには他に類を見ない独自性があります。」私は水をスピリットととらえ、光がさらにそのスピリットとして、目を閉じた状態での視覚（夢幻）と物理世界にある光を一体化させていると考えています。その世界が存在していることがモルディブの独自性であるため、私はこの場所を『アマルタ』と名付けました。アマルタは不老不死の霊薬で、私は光であると感じています。」

ジェームス・タレル

50年にわたる芸術家としてのキャリアを持つジェームズ・タレルの作品は、主に光と空間を探求しています。光を啓示の対象とすることで、タレルの作品は、どのように、そして何を知覚するのか、特に、知覚されたものが生きる現実にどのように影響を与え、形成するのかという本質に挑戦しているのです。ある時は瞑想的に、またある時は困惑的に、タレルの作品は見る者の感覚を高め、見る者を体験の領域に導いてくれます。

タレルはフラッグスタッフに滞在し、アリゾナ州北部のペインテッドデザート地域にある火山噴火口の中に、前例のないスケールの作品「Roden Crater」を制作しています。ローデン・クレーターは、タレルが生涯をかけて取り組んできた人間の視覚と心理の研究の集大成といえる作品です。この作品はランドアートのモニュメントであると同時に、予測可能で絶えず変化する天体と惑星の事象の肉眼観測所としての機能も持ち合せています。

タレルの作品は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館、ロサンゼルス郡美術館、アムステルダムのステデライク美術館、エルサレムのイスラエル美術館、ウォルフスブルクの美術館、キャンベラのナショナルギャラリー、上海の龍博物館など、世界中の有名な美術施設で評価されています。

タレルは、グッゲンハイム・フェローシップ（1974年）、マッカーサー財団フェローシップ（1984年）、ナショナル・メダル・オブ・アーツ（2013年）など、数々の栄誉ある賞を受賞しています。